元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第188回
続・読書は延命術です

より深い読書がいかにガン克服に役立つか?
スーパーサイエンスな発想を持つ科学者が書いた、
ちょっと哲学めいた本をふたつほど開いてみましょう。

ひとつは「老子と現代物理学の対話」(PHP研究所)。
老子といえば
「道の道とすべきは常の道にあらず」などという、
まさに禅問答。掴みどころのない哲学です。
物理学も量子力学や相対性原理といった難解な領域です。
しかし、著者の物理学者・長谷川晃さんは、
かなり平易に「老子」と「物理学」が解明した世界の
共通項の謎解きをしています。
禅や老子でいう「気」とは、
現代物理学が極めた粒子の波動運動や
宇宙生成のエネルギー場に似ていないか?
禅の「空」や老子の「無」の考え方は、
万物生成のエネルギーが飛び交う
空間場(カオス)を表しているのではないか?といった話です。
もちろん、通読したからと言って、
すぐに「無我」の境地に入り、悟りを開くことは無理にしても、
万物生成の大きなエネルギーの流れの中に
「己の命」もあるということが分かります。

もう一つは筑波大学名誉教授の村上和雄さんの書いた
「人生の暗号」(サンマーク出版)という本です。
村上さんは高血圧の黒幕・ヒト・レニン遺伝子の
解読に成功した農学者です。
よい遺伝子のスイッチをオンにすることによって、
よりよい人生に変えられるという話が詰っている本ですが、
遺伝子の姿を眺めたとき、神というか、
人知を超えたサムシング・グレートの存在を確信したそうです。
また、これからは西洋の分析力と
東洋の統合力を合体させて、
豊かな地球のシナリオを創造すべきと唱え、
人間を機械の部品のように分解する西洋医学だけでなく、
心身のトータルを見る東洋医学との
結合を計るべきときだとも提案しています。

また現代の物理学では解明できない、
時空を超えた多次元世界を「超素粒子」や
「超ヒモ理論」で解き明かそうとする科学者もいます。
「万物や命」の謎解きはまだまだ人知を超えているとはいえ、
たとえば何十代、何百代にも繋がっていく、
「遺伝子のDNA伝達」の謎を知るだけでも、
時空を超えた宇宙万物の大きな命の流れを
感じることが出来るはずです。
また、ただ臓器を切ったり繋いだりする治療が
いかに稚拙な方法か? それも分かってくるはずです。
闘病記、秘薬本、医学書だけでなく、
より知的に読書のハバを広げること…
これが患者の賢い知恵だと思いませんか?


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2003年3月3日(月)

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