第109回
「スローヘルス」って何?
化学合成の食品添加物による複合毒性が
いかに心身を蝕んでいることか?
いま「買ってはいけない」(週刊金曜日・別冊)や
「食べるな!危険」(講談社)といった本が、
とくに食卓を預かり、子どもの成育に腐心する
若いお母さんたちに読まれるのも、
わが身わが命の問題に痛みを実感しているからでしょう。
1970年頃から成長経済と共にスピードを速めた、
輸入食品の増加と農産物の工業化が
過食と汚染の風潮を生み、
ガンやアトピーという生活習慣病ばかりか、
子どもたちの心の病も併発させているようです。
経済の加速に合わせて、熱病に取りつかれたように
追い求めてきた「食のスピード」の歪みに
やっと反省の声が高まってきたといえましょう。
恥かしい話ですが、この僕にしても、
ガンに見まわれ、病院の治療で苦しんだ末に、
暴飲暴食を反省しました。
やっと食事療法などの自然治癒療法で命を拾い、
「食べてはいけない」という警告に気がついたわけです。
「スローフード」というイタリアで始まった
伝統食を見直す運動は質のよい地場の食べ物を
手間暇かけて料理して味合うことへの再評価ですが、
農薬や化学添加物をまぶした、
ファーストフードへの反省でもありましょう。
そしてファーストライフ、スピードライフから、
「スローライフ」への転換が
一人一人に迫られているわけです。
ようやく「スローヘルス」という言葉も使われはじめました。
これは子どもの過食や肥満防止のキーワードとして
使われているようですが、
いまや「スローヘルス」は
ガン治療にも当てはまる
医療全体のあり方へのキーワードだと思います。
というわけで、前にも書きましたが、
担癌者ジャーナリスト倶楽部といった勉強会だけでなく、
こんど新たに「スローヘルス研究会」といった
懇親会を開いて、患者や家族の皆さんにも
スローヘルスな養生法をすすめているところです。
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