第66回
肺や肝臓…ガン転移って恐ろしいですね
肝臓ガンといえば、
腎臓ガンから肺、そして肝臓に転移して、
最後は医者に見放されたという悲しいニュースが、
こんどは海の向こうのイタリアから、飛び込んできました。
作家で書評家の倉本四郎さんの友人で
イタリア人のAさんが、まだ40代というのに、
腎臓ガンの摘出手術のあとが思わしくなく、
肺に転移したと思ったら、
最後には肝臓に大きなガン腫瘍が出来たというのです。
倉本さんといえば、前にも触れましたが、
「100人中、80人は助からない」
無謀な食道ガンの手術は受けない!
と、僕同様に覚悟を固めたメール仲間です。
放射線治療で退院後は、
すぐさまマクロビオティックという食事療法や
活元という整体気功法の
自然治癒療法を組み合わせ、
再発や転移もせずに上手く養生しています。
毎週、日刊現代という夕刊紙に自らの闘病を綴る
「楽天がん日記」を連載中。
じつに執筆活動も旺盛なのですが、
最近では、90歳で大往生された父親と
それを看病した家族との「意識の対話」といった
最期の7日間を綴った、不思議な自伝小説を書き下ろしました。
いまの長寿社会に新たな問題を投げかける好著ですが、
倉本さんがガンを気力で克服しているが故に、
鬼気迫るところあり、また一転して、
温かい家族愛に満ちた異色の小説なのです。
彼岸に送る者と送られる者の「気の交流」といった生死の際が
実に感動的な筆致で描かれていますから、
読者をぐいぐいと引き込みます。
ぜひ一読することを薦めます。
この小説「往生日和」は講談社から出版されています。
話を倉本さんのイタリアの友人、
Aさんのガン転移に戻します。
数週間後の検査では、さらに肋骨、脊椎、腰椎と骨にも飛び、
最後は肝臓も大きなしこりとなって
ガンが全身に転移したというのですから、
倉本さんは心配するだけでなく、怒りに震えていました。
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