元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第55回
チベット医学は心身丸ごと医学=ホリスティック医学の元祖?

なぜ、僕がチベット医学を
「逆転の発想」のように面白く思ったか? 
話をもう少し続けます。

まあ、知合いのチベット通から聞いた
「チベット医学」の謎の受け売りなのですが、
頭頂にある「生命の風(ルン)」の働きが心身をつなぎ、
次元を超えた生命作用を与えるというのです。
これには興味をひかれました。
ルン(風)とは宇宙と繋がる人間の意識や
霊魂の流れと考えてもよいでしょう。
チベット医学でいう肉体の死とは、
人体に巡っている「生命の風」(ルン)が
体外に流れ出たときをいうそうです。
但し、このとき、この世の幻影に怯えず、白い光明を見つけ、
悟りを開いた者のみが、
頭頂のチャクラ(気の出入り口)から
生命の風(ルン)が抜け出て解脱できる…
これが密教と係わるチベット医学の考え方のようです。
病気になれば大日如来や薬師如来を観想(イメージ)して
脊椎の生命の風を出入りさせるといいますから、
煩悩、強欲な凡人が心身ともに癒されることは
とてもとても至難のワザだということにもなりますね。

東洋医学というと、すぐ中国医学(漢方)を
思い浮かべるわけですが、
チベット医学はより深い宗教味の強い医学といえそうです。
● 西洋医学
● 東洋医学
  ――中国医学(日本に渡ってきて漢方医学となる)
  ――インド医学(ヨーガを中心にしたアーユルヴェーダ医学)
  ――チベット医学(チベット密教の瞑想と密接な医学)
西洋医学では病気は病巣臓器を切りとれば治るという考えですが、
東洋医学では天然自然から人間の体まで、生命エネルギーは
目にみえない「気」によって調和されるので
心の療法が大切だと説きます。
とくにチベット医学は、心身を丸ごと治療する、
欧米のホリスティック医学にも考え方が近いのに驚きます。
「四部医典」というチベット医学の原典を読むと、
来世・涅槃(ねはん)の幸福を願う
密教との係わりが深いことが分かります。
病気の主因は3毒つまり「貪り、怒り、無知」にあり、、
これを癒す「医学の樹」という考え方が基本になっています。
体内を流れる3体液のバランスをはかることが
病気治療の原理だと前に書きましたが、
症状別に「医学の樹」の枝分かれのチャートが
図解されていますから、ある意味では合理的で、
かつ次元の深いユニークな医学といえます。

「それは実証性の全くない、まやかしの治療だ」と、
臓器切断医学を生業とする
普通の外科医なら一笑に伏すでしょうが、
チベットの高原に立ってみると、
こうした次元の重層化した
「命の超医学(スーパーサイエンス)」に、
いままた、一部の先鋭な欧米科学者たちが
興味をいだいて来たという理由も分かるような気がします。


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2002年10月21日(月)

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