中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4417回
中国で病気すると大へんですが

中国大陸に駐在したり、
旅行している最中に病気になったら、
医者を探がすのに先ず困ってしまいます。
ホーム・ドクターはいないし、
急病で大病院に駈け込んでも、
信頼できる医者に診てもらえるチャンスはありません。
ですから、私の場合も飲み薬で片のつくような場合は、
外人向きの医院に行きますが、
頭や心臓に故障を起したら、
いつでも飛行機にとび乗って東京に戻れるように心がけています。

何しろ歯医者も駄目だし、
交通事故ならもっと大へんです。
札ビラを片手に握って病院に駈け込まないと、
応急手当さえやってもらえない心配があります。
ですから私は日本か台湾の大学病院の分院をつくることを
何回も提案しましたが、
同業者にあたえる影響を心配して、
どこの大都市も省政府も首をたてにふらないので、
最も遅れているのは医療だということが続いています。

しかし、内服で癒す病気とか、
鍼(ハリ)、灸(キュウ)ということになると、
中国には長い長い歴史がありますので、
すぐにも応診にも来てもらえます。
なかでも私が心ひかれたのは
糖尿病の薬を開発した漢方のお医者さんが
スタンフォード大学の研究所に招聘されたことと、
手術をしないでも内服薬だけで癌をなおす薬を開発した先生が
私の日本人の友人の食道癌に効果があった時のことです。

私は双方とも自分から出かけて行って話をききましたが、
糖尿病の先生は病院の経営のことで政府といざこざを起して
研究を中断してしまったので後が続きませんでしたが、
長白山脈の薬草の中から癌細胞を駆逐して
正常な細胞に戻す薬効のある「天仙液」を創製した王振国さんとは
もう20年近くもつきあっているばかりでなく、
それを内蔵の細胞だけでなく、
皮膚に応用する化粧水をつくってもらったおかげで、
88才になった今もごらんの通り
さしてシミのない面をしています。
耳の方はだんだん遠くなっているというのに。





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2012年4月13日(金)

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