第4116回
不動産は一にロケーション、二、三も同じ
「私が1500万円なら即金を支払います」というのに、
相手の話をきいた家内は
私にもう100万円払ってあげたらと言うのです。
「だって親子3人で私の目の前で泣いているのですよ。
可哀そうだから」
「人の保証をして家をとられるのと、うちと何の関係があるの?」
と私が言いかえすと、
「でも可哀そうだもの」
「ふーん。一泣き100万円か。」と私は言いかえしたものの、
結局、家内の言うことをきいて1600万円を支払いました。
それが今もうちの家屋になっている
表参道と明治通りの交差点にある30坪ほどの小さな建物です。
その後、表参道はご存知のように東京のシャンゼリゼ通りになって、
そこに私が建てた小さな3階建ての店は
一番賑わった頃は何と保証金を1億8000万円ももらい、
150万円の家賃が入る黄金の場所になりました。
その後、バブルがはじけて色々と有為転変がありましたが、
今も月300万円の家賃をもらっています。
東京都から都市計画で買収の話を持ちかけられていますが、
5億円払いますという話もあります。
ですから「不動産はどんなところを買いますか?」ときかれたら
「ムードのあるところ」と私は先ず答えます。
私があの時、手に入れたオフィスも原宿だし、
私の住んでいる家も代官山にあります。
家を下りたすぐ下が中目黒ですから、
いずれも若者の集まるムードのあるところにあります。
とりわけ商売のできる所は借手を探す心配がありませんので、
「不動産を買う場合、どんなことに気をつけますか?」
ときかれたら、私はいつも
「一にロケーション、二にロケーション、
三もやっぱりロケーション」と答えます。
これは東京だけの話ではありません。
香港に行っても、北京や上海に行っても
全く何の変わりもありません。
建物はどんなにでも建て直しがききますが、
ロケーションだけは動かすことができません。
なかでも商売ができてお金儲けのできる所が一番ですね。
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