中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4087回
ショッピング・センターをもてあます時が

不動産ブームで荒稼ぎをしている中国の成金たちは
豪華なホテルとアメリカ式ショッピング・センターをつくって
節税にこれつとめていますが、
この2つとも採算を度外視した副産物なので、
一旦、バブルがはじけて
本業がピンチにおちいるようなことが起ったら、
たちまち持て余すようになることは目に見えています。

というのも超豪華ホテルは税金に払うお金を
横流しして建てた物ですが、自分たちが直接経営しなくとも、
アメリカやヨーロッパの一流ホテル・チェーンに経営を委託すれば、
一応経営していくことができます。
その代わりうんと条件をゆるめなければなりませんが、
本業で儲かっている間は全くの無収入に近い条件でも
さして気にしないですみます。

それに対して
アメリカのショッピング・センターのコピーをした
中国のショッピング・センターは
経営の引き受け手がありませんから、
別会社をつくったり、
身内に任せて直営に近い経営をすることになります。
その代わり世界中の有名ブランドに誘いをかけても、
お客がつかないことははじめからわかっていますから、
高いテナント料を払ってくれることは先ずありません。
きくところによると、とりあえず3年は家賃無料か、
それに近い条件でスタートしているところが多いようです。

でも3年はすぐに来てしまいます。
現にそれに近いショッピング・センターの噂をよく耳にします。
まさか次の3年もまた家賃免除というわけには行きませんから、
次はどうするかを決断するところまで
追いつめられているショッピング・センターは
少なくないと見てよいでしょう。

そうなると、ホテルよりもショッピング・センターの再建が
都市計画の次のテーマになる段階まで来ていることになります。
ことし、来年くらいまではまだポツポツですが、
もし本当にバブルがはじけて不動産が一せいに大暴落して、
本体を維持するのにも不動産開発会社があわてる時が来たら、
その時はどうする積りでしょうか。


←前回記事へ

2011年5月19日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ