中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4086回
中国のショッピング・センターの生命は短い

縁あって私は自分が建てた北京のマンションのすぐ近くにできた
ショッピング・センターのオーナーに
そのショッピング・センターの中を一通り案内していただきました。

そのショッピング・センターができたのは、
かれこれ3年も前ですが、
何でこんなところにこんな広大な土地を使って
2階建の超贅沢なショッピング・センターができたんだろうかと
なかを見てまわって首をかしげたことがあります。

散歩道としてはとてもいい所ですが、
地価の高い所で
こんな店づくりをしても引き合うわけがありません。
ヨーロッパやアメリカの有名ブランドが軒を並べていますが、
店の前を人がショーウインドを覗きながら通りすぎますが、
お客が中に入っているのを見たことがありません。
表通りに面してレストランがズラりと並んでいますが、
レストランが一杯になっても
いくら売り上げがあるかは知れていますから、
どうしてこんなコーナーをつくったのだろうかと
首をかしげながら散歩したことがあります。

でも最近は休みの日になると来る人がふえたときかされて、
ショッピング・センターの経営者を紹介してもらい、
その案内で一通り中を見せていただきました。
そして、とても驚いたのは
計算高い中国人が不動産の売買では死ぬほど計算高いのに、
店の経営となると全く計画性がないのです。
節税の方法に夢中になって、
とにかく節税になればいいとばかりに
商売には全くシロウトの人が
あとで足手まといになって
全財産を失うようなお荷物を平気で担ぎ込んでいるのです。

不動産ブームが続いている間はそれでもいいかも知れませんが、
もし日本のように地価が高値から
十分の一まで下がるようなことになったら、
超豪華ホテルや超豪華ショッピング・センターは
どうする積りなんでしょうか。
中国の不動産業者にはその対策がまるでできていないのです。
「天下は廻り持ち」と言われていますが、
やはり中国でもそうなんでしょうか。


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2011年5月18日(水)

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