第4071回
香港では私は日本の「株の神様」
この頃は香港の新聞社や経済雑誌でも、
日本語のわかる記者がこのコラムを読んでいると見えて、
私が考察団の皆さんを連れて香港を訪問する日が発表されると、
すぐに東京に電話をかけて来て、
私にインタビューを申し込んできます。
ですから私がどこの会社を訪問するかもよく知っているし、
なぜ私がその会社を訪問するのか、
その理由についても根掘葉掘きいてきます。
日本では私のコラムを見ている人の中で
トンチンカンな株の売買をして損をした連中が
私のことを悪様に罵る投書をよく見かけますが、
香港にはそんなヒマな人はおりません。
居たとしても投書までするヒマな人は先ずいません。
その代わりに記者たちが私を追っかけまわして、
道を歩いている間中、シャッターを切り続けて、
道行く人たちもどんな有名人かとびっくりして
一せいに目を向けてきます。
おかげで昨年だけでも
香港の経済雑誌の表紙になっただけでも10回ありました。
股神(株の神様)邱永漢がどの株がよいとのたまうと、
たちまち大暴騰をすると言うので、
私が表紙になった号は必らず売り切れになるのだそうです。
今回も10社以上の記者たちに囲まれて
翌日の新聞に「永保林業」の記事が載ったおかげで
永保の株の出来高が1日で3億株にふくれあがっただけでなく、
私が表紙になった株の雑誌が2冊も発行されました。
私は大体、4ヵ月に一ぺんくらいの割合で
皆を香港に連れて行くので、
4ヵ月に一ぺんは違った銘柄をとりあげることになります。
私がとりあげた理由を述べると、
香港の投資家たちはなるほどなるほどと納得して買いを入れるので、
必らずのように突発的な株高が起ります。
今回、私がとりあげたのは、前述した北控水務と永保林業のほかに、
もう一つは皆が期待しているのに梃子でも動かなかった
石油や天然ガスを運ぶパイプの生産施工を業とする勝利管道です。
はたしてどういう動きになったかは
結果をごらんになって見て下さい。 |