中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4070回
永保林業の昨年度業績に注目を

私たち考察団が日本を出発する前に、
永保林業から「機密資料備忘録」が送られてきました。
それをひらいて見て、私は思わず我が目を疑いました。

経営者は董事長兼総経理が楽家宜という女性で、
財務の担当をしている財務総監の姜若男も同じく女性です。
備忘録をめくって見て、もしこれが本当なら、
材木屋の誰もが思いつかなかった新資源ビジネスなのに、
どうして今まで木材を扱ってきた業者が全く手をつなかったのかと
逆に首をかしげてしまいます。

備忘録に書いてあることが嘘とも思えないけれど、
もしその通りなら稀に見る大成長株だし、
それを妨げるようなことが起るとすれば、
一つはブラジルやロシアの政府の
木材輸出に対する方針に変更があるとか、
もう一つは競争相手が次々と出現して
利益の争奪戦が起る場合だけだということになります。

そこで出発前に「もしもしQさん」のコラムで2回にわたって
永保林業の株に触れたところ、
何と忽ち毎日、1億株をこえる出来高が続き、
株価が思わぬ高値を呼びました。
これには向うもびっくり仰天して、
財務総裁が説明に出る積りだったけれど、
董事長が自分も出席してご説明申し上げたいという
連絡がありました。
というわけで証券会社の広間を拝借してひらいた説明会にも、
また福臨門で私がスピーチをした時も、
お二人とも出席して、皆さんの質問に心よく答えてくれたのです。

3月期決算がちょうど終った時ですから、
どんな決算になるかは経営者の頭の中には既にありますが、
決算発表前にそれをもらしてはいけないという
証券取引所の規定があります。
ですから正確な数字は出て来ませんでしたが、
皆さんを失望させることは先ずありませんという解答でした。
私は下半期の業績は若干下がると見ていましたが、
もしかしたらそうではないかも知れません。
従って若干の配当が期待できることもあるかも知れません。
そうだとしたら、株価は更に買い進まれることになります。


←前回記事へ

2011年5月2日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ