中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4069
こんな資源産業が本当にあるの?

シベリアの材木と言えば、
日本の商社も少しは唾をつけています。
でもロシアは日本人にとって鬼門ですから、
本腰の入った分野ではありません。
そう言った意味ではシベリアの森林は世界の木材商にとって
処女林に近いと言ってよいかも知れません。

ブラジルの電力会社の委託を受けて工場敷地の開発のために
只に近い木材の伐採をやって
半期に1億8千万香港ドルの利益を得たことがヒントになって、
永保林業はすぐにシベリアに飛び、
森林開発の交渉をしたところ、
ほどなく24万ヘクタールの森林開発を
18年にわたってやれる許可がおりたそうです。
現場からトラックに載せて7時間ほどで
東北三省の満州里に到達する距離なので、
資源はそっくり中国向けに販売することができます。

さあ、そうなると、
あと残された最後の宝庫はアフリカということになります。
永保林業の経営陣は、
実際にそこまで手が届くかどうかはともかくとして、
とりあえず唾をつける必要があると感じて、
目下、アフリカで森林資源に奔走しているそうです。

以上が永保林業がさしあたり手に入れた森林の概況ですが、
その加工場は賃借した物も含めて10ヶ所あり、
これから本格的な操業に向う過程にあります。
これらの工場がフルに動くようになると、
大量に製材をしなければならなくなり、
従って木屑の発生だけでもバカになりません。
木屑は1トン当り35ドルもするそうで、
木炭をつくるとか、
いっそ製紙会社に売るかはこれからの課題ということになります。

何しろ所有林の中から年に1%程度の伐採をしても、
同じ期間に森林が成長して2%ふえる仕事だし
また材木の市況が悪くて販売が思うようにすすまない場合でも、
森林が成長して含み資産がふえる珍しい資源産業なのです。
こんな商売がはたして本当にあるのかと私は眉唾のまま、
永保林業の本社に連絡して、
私たち投資考察団が香港に行った時、
詳細の説明をしてもらえないかと申し込みました。
そうしたら、2つ返事で心よく承知してくれたのです。


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2011年5月1日(日)

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