中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4037回
今日は私の満87才の誕生日です

今日は私の満87才の誕生日です。
あまりぼけないうちにさよならした方がいいと考えて、
「私は77才で死にたい」という本まで書いたのに
希望のお別かれの日をとうとう10年もオーバーしてしまいました。

年をとると私のように記憶力に自信のある人間でも
「ロマネ・コンティ」とか、
「アンチョビ」とか言った単語を思い出すのに
少しばかり時間がかかるようになりました。
でももしもしQさんで私がとりあげた株にとびついて
損をしたあわて者が私をぼけ老人扱いするほどは
まだ衰えていません。

ことしも例年通りごく親しい友人たちが集まって
私のためにささやかな誕生祝いをして下さることになっていました。
もうずっと常連になっていただいている
ユニクロの柳井正夫妻や林眞理子さん、沢木耕太郎さん、
生島ヒロシさん、玉村豊男さんたちのほかに、
ことしは伊勢丹社長の大西洋さんと
100円ショップ大創の矢野博丈さんが
わざわざ駈けつけていただくことになっていました。
またいよいよアジアの時代ということで、
今回は北京、上海、香港、台湾から日本語のわからない
いまの時代のトップを行くパイオニアたちが
15人もとんで来てくれることになっていて、
私がはじめて通訳つきの挨拶をする段取りになっていました。

それがごらんの通り「いつかは起ること」が
とうとう日本で発生してしまいました。
まさか私たちだけが避難している人たちをさしおいて、
名にし負う「福臨門」で
豪勢なパーティをひらいて騒ぐわけにも行かなくなり、
とうとうご出席の約束をいただいていた皆さんに
お断わりをすることになってしまいました。
桜見物もかねて東京までお誘いした
アジア各地の友人たちには
いずれ紅葉の季節にでも来ていただく積りですが、
今日の私は家族だけに囲まれて
自宅で誕生ケーキのローソクに火をつけることになっています。
福臨門のオヤジさんには申し訳ないのですが、
代わりに金一封を被害を受けた人々への志として、
87才の誕生日を迎えることに致しました。
これも予定をオーバーした余生の一齣ですね。


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2011年3月30日(水)

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