第4038回
どうして大被害を受けた日本が円高に
今から66年前の1945年3月9日に東京大空襲があって、
一晩で10万人からの犠牲者が出ました。
当時、私は東大の3年生で9月に卒業を控えていましたが、
実家は遠い台湾なので逃げ帰ることもできず、
どうしようかと困っていたら、岡山と広島に実家のある同級生が
しばらく家に来ないかと誘ってくれました。
広島の友達の家は広島の造酒屋で家が市内だったので
いずれまた空襲の対象になるだろうと考えて、
岡山の市外に空屋になった農家のある友人の家に
疎開させてもらいました。
そこで牛の使い方から猫車の押し方まで覚え、
言葉まで岡山弁になってしまいましたが、
8月になるとすぐお隣りの広島に原爆が落されて
すんで生命を落とすところでした。
あの時は戦争がもたらした人災ですが、
この3月の東北関東大震災は天変地異がもたらした災害で、
誰かのせいにするわけにも行きません。
だから「天罰」ということになるのかも知れませんが、
人生には思いもよらないことが色々と起るものです。
津波による被害も大へんなものですが、
それが原子力発電所にもたらした
災害による恐怖心は大へんなものです。
日本国内では民心を安定させる必要上、
押えに押えたニュースが伝えられていますが、
ちょうど私は考察団の旅を終えて、ずっと北京に居りましたので、
テレビのニュースも、当地や香港の新聞も
日本人が見たら驚いてひっくりかえるような内容になっていました。
スイスやフランスの政府まで
いざとなったら自国民の避難のために
専用機を出すというのですから、
行く所のない日本人と逃げ先のある外国人とでは
まるで違った頭の回転をさせられます。
「もしもしQさん」は情報機関ではありませんので、
ずっと話をきく方にまわってきましたが、
どうにもわからないことがあります。
それは大きな被害を受けた日本で
どうして円高になったのかということです。
円安になって
もう一度はじめからやりなおしだというのならわかりますが。
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