第4020回
1400万人のダッカで縫製で働く人が300万人
バングラディシュといえば、いつも大洪水に見舞われている
インドの隣りの国という印象がありますが、
北海道より少し少し広いところに
1億4,000万の人が住んでいますから、
どこもここも人に溢れています。
しかも国の真ん中を川が流れていて、
少し前までは橋もかかっていなかったので、
食糧を積み込んで川を渡る船が何日も足止めをくらって
なま物を腐らせたことが珍しくなかったそうです。
いまは橋がつくられてその心配はなくなりましたが、
見るべき産業がないので、常食にしている米も
日本人の喉は通らないくらいまずいものだし、
改良するところまで頭がまわらないので食べるのがやっと。
でも人柄は悪くないし、運転がうまいくらいですから、
手足は器用で言われたことはちゃんとやるし、
生命は大事にしますから、手足を動かす仕事に向いているのです。
そうした国民性に目をつけて、
ユニクロまで乗り込んだくらいですから、
ヨーロッパの縫製業者が次々と工場をつくり、
人口1,400万人のダッカで縫製に従事している人たちが
何と300万人もいるそうです。
ほかにこれと言った仕事もないので、
賃金も日本円で3,000円くらいですから、
世界中のファッション・ビジネスの業者が
目をつけるのも無理はありません。
私たちはユニクロの新工場をみせていただきましたが、
港から400キロも離れた内陸にありましたので、
どうしてこんな不便なところを選んだのですかと質問したら、
水がよくて染物ができるからと教えられました。
世界が1つになって行く過程で、
産業の新しい動きを目の当りに見ることができて、
とても勉強になりました。
世界中でいま新しい動きが次から次へと出てきていますが、
どこに投資したらいいのか、
どんな仕事が投資家にお金をもたらしてくれるかは、
それをどう解釈するかによって正しい答が出て来ます。
どう考えても次は中国を中心としたアジアの時代ですね。
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