第3464回
上半期の中国株の業績不振が買場です
9月に入ると、上半期の業績が次々と発表されます。
日本はもちろん、いいわけがありませんが、
中国株も大勢としては良くて増収減益、
かなり将来性のある企業でも
減収減益に見舞われる企業が少くはない筈です。
どうしてかというと、
中国の場合は金融不安の影響が実体経済にまで及ぶのに
かなりの時間がかかり、
それが数字になって現われるのは、
昨年の下半期以後、
ほぼ本年上半期にまで及んでいるからです。
日本の場合は、
3月期決算が多いので、
大企業の大幅減益が既に3月分の発表に出尽されていますが、
中国の場合は年末決算ですから
昨年の年末ではまだ完全に底に届かず、
ことしの上半期に漸く底に届いたと見てよいでしょう。
日本の場合は底に届いたとしても
すぐに回復に向かうよりはL字型の動きになって
まだかなりの期間、
底を這う形になる可能性が多いと私は見ていますが、
中国の場合は経済全体がまだ成長過程にあって
国内景気が勢づいているので、
V字型の回復をする動きが見られます。
従ってもし上半期の不振を見て株価に売られる場面があったら、
そこが買場になります。
もちろん、買場と言っても、
6月を境として業績が上向く業種と銘柄に限りますが、
中国では次の成長株と目される分野では、
これから年末に向って
業績が上向く傾向がかなり期待できるからです。
株価は既にかなり回復していますが、
これから年末に向ってアメリカや
ヨーロッパの株式市場を置去りにして
中国株が上昇を続けるとすれば、
来年は中国経済を先頭にしてアジアを中心とした
本格的な景気回復がスタートするのではないでしょうか。
その中にあって日本はどっちにつくかというと、
どっちにも片手ずつ引っ張られることになるのではないでしょうか。
素材メーカーは活気づくけれども、
国内消費景気はアメリカ並みに沈滞を続ける。
日本人にとっては迷いの多い時代がはじまるのです。
どっちの手に力が入るかによって
明暗も大きく分かれるのではないでしょうか。
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