第3454回
喜んでお金を払ってもらえる商売の研究を
不動産と自動車が一番の値嵩商品ですから
国の政策によってその売り上げをふやすことは
できないことではありません。
しかし、行きすぎると
インフレにはずみがついてしまいますから、
やがてストップの声がかかるようになります。
不動産や自動車に代わって好景気を持続的に維持して行く
消費向上の環境づくりが必要になるのです。
簡単に言えば、中国人にお金を使わせるには
どうしたらいいのかということがこの次のテーマです。
つい20年前、中国人の平均給与は
1ヶ月300元でした。(1元は15円)
それが10年で1000元になり、
次の10年つまり2010年までには
3000元になるだろうと私は予想しました。
しかし、実際には2年早くオリンピック開催時に大体、
3000元には達したなあという実感を持っています。
ではこれからどうなるのか、
恐らく次の10年でまた3倍あまりの
1万元には達するだろうと私は見ています。
但し、それが実現するためには条件があります。
所得水準がとりあえず10倍になるまでは
先進国の工業生活のコピーをやれば何とかなったのですが、
これからは第1次産業から第3次産業に至るまで
他国の真似ではなくてオリジナルのレベルでないと
世界的な競争には打ち勝っていけないと私は思います。
なおそうしたプロセスでの所得向上で、
しかも月に700元ではなくて
7000元も使えるお金がふえるのですから、
消費者の選択範囲も拡大されますが、
売れる商品づくりにも産業界をあげて
ユニークな開発がすすむと見てよいでしょう。
人は本当に金持ちになればお金を使わなくなりますが、
まだ俄か成金の段階では欲しい物はいくらでもありますから、
ポケットが豊かになるにつれて欲しい物はいくらでもふえます。
もっと立派な家に住みたい、
もっと立派な自動車を持ちたいというのもありますが、
もっとおいしい物が食べたい、
もっときれいな服が着たいというのが先ではないでしょうか。
デパートやスーパーで売っている物やレストランで食べる物の方が
一足先に贅沢品に変わると思います。
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