第3441回
レストランで一足先に貧富の差が
成都からソバを植える候補地になっている
寧夏を廻って北京まで帰って来たら、
ここは中国の首都だけに新しい動きがやたら目につきます。
一番目立つ動きは何と言っても
交通渋滞がますます激しくなっていることでしょう。
アメリカも日本も自動車の売れ行きが悪くなって
音をあげているのに、中国だけは空前の好況で、
アメリカを凌ぐ売れ行きが続いているのですから。
ですから会社を訪問するのに1日かかって3社がやっとという
かつての東京並みのことが現実になってしまいました。
話にはきいていたけれど、一度も行ったことのない
チェーン・レストランの1軒にも行ってみました。
内モンゴルからスタートして株式も上場している
シャブシャブ屋の1軒でしたが、
羊肉も牛肉もまことに貧弱で、
鍋の中は重慶火鍋並みに辛いのと
普通のスープに二分されていましたが、
スープの中のダシも全くきいておらず、
昔からある東来順風にも遠く及ばない内容でした。
それでも全国的にチェーンを展開しているのですから、
時代の流行にうまく乗ったということでしょう。
時代が新しい流行を生むとすれば、
中国でチェーン・レストランをひらきたいという
日本の業者にとってはまたとないチャンスかも知れません。
日本人のサービスの良さは中国人の間にも定評がありますから。
所得水準の向上がもたらした消費市場の変化にも
目を見張るものがありますが、
その過程において避けられないのは
貧富の差がついてしまうことです。
一せいに貧乏することならあり得ることですが、
所得の向上するプロセスでは
お金儲けのうまい人のところへ先ずお金が流れ込み、
それが社会全体を刺激して
所得水準を引きあげるのが常識ですから、
ケ小平が容認した「先富論」が現実に起っているのです。
いまのところ、デパートでもスーパーでも
金持ちも貧乏人も同じところで買物をしていますが、
レストランでは一足先に
金持ちの行くレストランが目立つようになっています。
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