中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3348回
中国の不動産投資は本当に難しい

不動産株の値上がりは後廻わしになると言いましたが、
不動産の仕入れは不動産の市況が悪くなって、
不動産の値下がりしている時がチャンスですから、
中国でもいまが
不動産の仕入れ時と考えていいのではないでしょうか。

中国じゅうどこに行っても超高層ビルが林立するようになりました。
私は20年前に「大陸の香港化」を唱えましたが、
久しぶりに地方都市に出かけて見ると、
どこも香港みたいになってしまっています。
あれを見ると、土地の利用法は
政府の考え一つでいくらでもふやすことができますから、
「経済が発展すれば不動産は必らず値上がりする」
という日本に通用した法則が
中国では必ずしもあてはまらないぞという気持になります。

しかし、それでも町の中心部の
利用価値のあるロケーションには限りがありますから、
利用価値さえあれば、家賃収入になるし、
それを借りたい人がふえれば、家賃も値上がりするし、
従って不動産としての値上がりも期待できます。
その反対に住居用のマンションは
郊外に向ってドンドンひらけて行きますから、
物価の上昇に応じて古いマンションが値上がりすることはあっても、
何しろ供給過剰が全国的な傾向ですから、
かつての日本で高度成長期に
不動産が値上がりしたのと同じスピードを期待することが
難しいのではないでしょうか。

その上、中国のマンションは殻だけの値段で、
造作をして人に貸すとなると、更に造作費がかかります。
その上、電灯がこわれても、水もれがしても
いちいち借家人からクレームが来ますから、
その煩しさには耐えきれないと思います。
私は北京、上海、成都と各地で不動産を人に貸していますが、
管理システムがちゃんとしているので、何とか成り立っています。
でも人の建てたビルの1室を買う気にはなりません。
そういう煩しさに耐えるくらいなら、
不動産株でも買って、
嫌になったらすぐにもバイバイをした方がいいと思います。


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2009年5月10日(日)

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