中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3349回
中国一清潔な都市は廈門ですが

中国ではどこの都市が一番清潔で掃除が行き届いているかという
コンクールを毎年行っています。
いつも1位になるのは廈門です。
廈門は北京語でシャームンと言いますが、
別にアモイという呼称で知られています。
「どうしてアモイと呼ばれているのですか」
ときかれたことがありますが、
福建語でエームンと呼ぶのを
はじめてヨーロッパから
お茶の仕入れの船が乗り込んできた人たちの耳に
アモイときこえたのではないでしょうか。

そう言えば、お茶のことを英語でティーと呼びます。
フランス語でもテーです。
ティーは福建語で、広東省ではツァー、北京語でもツァーですから、
イギリス人やポルトガル人がお茶の仕入れのために
真っ先に乗り込んできたところは廈門か、
その周辺であったことがわかります。

その廈門が中国一クリーンな町であることは
一歩、廈門の町の中に足を踏み入れたらすぐにもわかります。
軒並みも整っているし、道には屑紙一つおちていません。
住んでいる人たちの一人一人が
街をきれいにすることに神経を使っているからです。
それはそれで賞讃に値いすることですが、
神経の使いすぎでバスの泊まるところまできびしく制限していて、
たとえば、鼓浪嶼(コロンス)へのフェリーの発着所の前に
バスを泊めさせないので、
遥か遠い所でバスをおりて長い道程をフェリーの発着所まで
トコトコ歩かなければなりません。
年をとってくるとこの道程がかなりしんどくなります。

私が行きも帰りもへばるほど歩かされたので、
ガイドさんに文句を言ったら、
「観光客の皆さんで嘆願書に署名して下さい。
そうしたら私たちが政府に持って行きます」
と言われてしまいました。
とても素晴らしい町ですが、
バスをフェリーの前に一時停車させても
町がきたなくなるわけではないと思います。
コロンスに到着すると、島を一巡するのに
遊覧車が目の前に停って客待ちをしているのですから。
フェリーまでが胸突き八丁だということになります。


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2009年5月11日(月)

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