中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3347回
不動産株の値上がりは後廻わし

いま中国の政府は年成長率8%を達成すべく
必死の努力を続けています。
8%の成長率が維持できれば、
これまでとあまり変らない雇傭が続けられるし、
産業界を不況におとし入れないですむからです。

でも世界中が100年に一度の不況に向って突入しているところです。
先進国ほど甚大な損害を蒙っています。
その影響が中国の輸出産業にかなりの損害をあたえていますから、
はたしてそんなことができるのだろうかと
全世界のプロたちが疑いの目で見ています。
でもロシアや印度から一度、中国に足を踏み入れると、
空気が一変します。
市場や繁華街はどこも人が一杯で、
不景気どこ吹く風と活気に溢れています。
少くとも消費に関する限り、
政府が期待するような成長は続いていると見てよいでしょう。

しかし、その一方でどの都市へ行っても
新築のマンションが完成したまま
人が入らずに空家になっているのが目立ちます。
多分、家を建てれば、建材も売れるし、雇傭も維持できるので、
どこの地方政府も建設には力を入れ、
建築資金に対して積極的な対策をとっているのでしょう。
しかし、どこの都市も飛行場から町の中心部まで行く間に、
あれだけ立ち腐れになったマンション群が
たくさん並んでいるのを見せつけられると、
不動産株を買う気がしなくなるのではないでしょうか。

いま中国の不動産株は軒並み大きく値下がりしています。
不動産株は長期投資の対象だから
こんな時に仕入れればいいという意見に
異存を唱える気は全くありませんが、
ここ当分、不動産の値上がりは期待できないのではないでしょうか。
それどころか、資金ぐりに苦しんだ建設業者が
投げ売りをする可能性もあり得るという印象を受けます。
中国の建設業者はマンションの1階を店舗にするのが常識ですが、
マンションにはぼつぼつ人が入っても
店舗がガラ空きという光景が珍しくありません。
不動産株の値上がりは後廻わしになると思った方が
正しいのではないでしょうか。


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2009年5月9日(土)

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