第3346回
牛肉の等級別化は中国でも日本人の仕事
農牧業の中で次の成長産業は牛肉だという見方をしているので、
今回は大連の雪龍牧場をはじめとして、
雲南省大理にあるミルクの牧場、加工場、
更に寧夏自治区にある牛肉専門の牧場、
粉ミルクの工場と一わたり見てまわりました。
私は牧畜については全くのシロウトなので、
一緒に行った専門家の意見をきいたり、
当事者の説明をきくよりほかありませんが、
広い中国のことですから、
牛肉についてほとんど関心のないところもあれば、
逆に主食以上に関心を持たれているところもあります。
たとえば大連のように日本に近く、
且つ日本との取引が珍しくないところでは、
和牛に対する知識もあり、
霜降り牛肉に高いお金を払うことを惜しまない人もいますから、
地元の牛肉の3倍の値段でも商取引きが成立ちます。
逆に雲南はビルマと国境を接する西の果てにありますが、
回教徒の姿はほとんど見られないので、
牛肉が堅くて歯が立たなくとも誰も気にしません。
それでも美味しい牛肉ができて、
豚肉とあまり値段が変わらないとなれば多分、
話は違ってくると思います。
それに比べると、寧夏は回教徒が多く、
豚肉を食べずに牛肉と羊肉を食べますから、
肉屋に並んでいる牛肉の量は日本の比ではなく、
霜降りに近い穀物を餌にした高級牛も
無意識のうちに飼育されています。
但し、等級別の区分けができていないことは
雲南省のコーヒーや内モンゴルの蕎麦と同じく、
高級品も等外品もごっちゃにして売られています。
私はコーヒーの等級化を図って、
コーヒーの工場まで建てましたが、
専門家に言わせると、牛肉の先進国である寧夏で、
日本のプロによる等級別の販売がやれるようになれば、
高級肉の供給もできれば、
普及品を使ったレストランも
それなりの商売ができるようになるそうです。
それを銀川でやることもできるでしょうが、
北京や上海でやれば、もともと肉食の国民ですから
日本よりはうんと繁盛するのではないでしょうか。
|