中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3290回
完読しても実行しなければ役に立ちません

第一次石油ショックの時代と違って、
いまはグローバル化の時代です。
株の売買をするのだって、
30年前と違ってアメリカの投資信託を買うこともできるし、
中国株やベトナム株を個人の判断で売買することもできます。
新しい商売をはじめる場合も、
アジアのどこにしたらいいか、
自分で決めることができるようになったのです。

そうなると、
国によって税率も違うし、
日本から投資するのが一番いい方法でないことに
いやでも気がつきます。
世界的スケールで大きくなろうとすれば、
日本から投資をしていたのでは
人の3倍も時間と努力が必要になります。
日本に住所がある限り、
海外での収入も税務申告をしなければなりませんが、
それを避けようと思えば、自分の住所を
税金が少くてすむ国か地域に動かすよりほかありません。
「金庫は香港において、
投資はアジア中でもっとも可能性のあるところで」
というのが最も効率的な投資方法ですから、
世界的スケールで成功したいと考える人に焦点をあわせて
「非居住者のすすめ」
中央公論社から出版しました。(720円税別)
この本は地方の「昼もシャッター通り」に
何の抵抗も感じない人には何の役にもたちませんが、
海外にとび出して一旗あげたい人には多くのヒントがある筈です。

と、ここまでを実地にやって功成り名遂げた頃には、
多分、もう一生も終わりに近づいていることでしょう。
汗水たらして築き上げた財産も事業も
あの世には持って行けません。
それをどうするかは個人にとっても大きな問題ですが、
家族にとっても、
また事業に参加してくれたパートナーや
部下にとても大問題です。
「息子に後を継がせるな」、「息子は家業を継ぐな」が
今回の「相続の準備できましたか」(PHP952円)
のテーマです。
全6巻で税込み4738円なので、
交流センターに注文されてももちろん結構です。
しかし、もっとずっと大切なことは
自分がそれを実行に移すことができるかどうかです。
大金持ちにはなれなくとも、
小金持ちくらいにはなれると信じています。


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2009年3月13日(金)

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