中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3212回
いよいよ新しい時代の始まりです

いよいよ新しい時代がはじまろうとしています。
アジアの時代です。
私は30年も前からこういう時代が来ることを予感していました。
古い私の著書の中でアジアのタイトルがついた作品を拾って見ると、
アジアの風」(小学館1989年)
アジアで一旗」(実業之日本社1990年)
日本人はアジアの蚊帳の外」(PHP研究所1994年)
アジア共円圏の時代」(対談共著PHP研究所1994年)
アジアの勃興」(PHP研究所1994年)
アジアの曙」(グラフ社1994年)
アジアで稼ぐ50の法則」(太陽企画出版1995年)
アジアの蜜は甘いぞ」(対談共著PHP研究所1995年)
と8冊もあり、アジアがタイトルについていないが、
アジアの時代の到来を予想し、
中国をはじめアジアの各地の経済事情や
その発展を予想した著書に至っては
100冊にも及ぶのではないかと思います。

そうした「アジアの時代」の先端を切ったのは日本でした。
明治維新からはじまって、
欧米の植民地になるのを免れただけでなく、
先進国の仲間入りをして植民地争奪戦の先頭に立った日本は
アジアをその傘下におく野心を持ったばかりに
一敗地にまみれて4つの島に追い返されましたが、
敗戦の後、資本も資源もない中で工業化に成功して
再びアジアの先頭に立ちました。

でも日本人にはアジアの一員であるという自意識が乏しく、
アジア人を見下げる潜在意識をいまだに捨て切れずにいるので、
必らずしもアジアの他の国々と運命共同体的な動きをしていません。
それが私に「日本人はアジアの蚊帳の外」
という本を書かせたのですが、
今回のサブプライム・ローンに端を発した世界的金融不安の中でも、
日本だけが他のアジアの国々とは別の動きになっています。
日本だけが円高になって
他のアジアの国々とはまた別のピンチにあっていますが、
それが日本をアジアに引き戻すきっかけになるのか、
それともいままで通りアジアの蚊帳の外に居続けるのかは
これから日本人が
自分たちで決めることになるのではないでしょうか。


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2008年12月25日(木)

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