中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3210回
次はアンティ・エージングが大産業です

中国でもう1つ将来、大きな市場があるのは、
アンティ・エージング・ビジネスではないでしょうか。
所得の向上によって食品産業だって
まだいくらでも改良の余地があるし、
すぐ目の前に大きな市場が控えています。
もちろん、そうしたビジネスの方が
優先的に開発されるでしょうが、
かつて私が日本の将来を大きく支配する流れとして
国際化、成熟化、老齢化と3つあげたなかで、
もっとも確実に、しかし、忍び寄るように
私たちを取りまいてしまったのが老齢化です。
気がついて見たら、自分も年寄りの仲間入りをしているし、
健康から食べ物からお金の使い方まで、
社会が必要とする学問の対象であり、
生活して行く上でもっとも神経を使う分野になっています。
またその分だけ大きなビジネスとして成長する過程にあります。

中国は経済がまだ成長過程にあり、
未開発の分野がいくらでもありますから、
何もそこまで突っ走ることはありませんが、
食糧の確保も必要なら健康も美容も
ゆるがせにできないとすれば、
人間の臓器の秘密の解明が
情報産業の次の産業界のテーマになるのではないでしょうか。
情報産業は過去半世紀近くにわたって開発され、
私たちの生活環境を一変させるだけの経済効果がありましたが、
IBMやマイクロソフトの動きを見ていても、
そろそろ天井に頭をぶつけるところに
来ているのではないでしょうか。

次はバイオの時代だと言われていますが、
脳の働き1つを見ても、
血がどこでどうやってつくられて
どういう役割をはたしているのかということさえ、
私たちにはよくわかっていないのです。
さしあたりは病気をなおしたり、
健康を維持するために必要な手段として
医薬の開発からはじまって、
動植物のバイオ技術による生産や繁殖まで
産業界の中心テーマになることが考えられます。
私が小さな製薬会社のやっていることや
大学や研究機関の研究テーマに注目を怠らないのは
IT産業のあとに続く
ニュービジネスの主流になると見ているからです。


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2008年12月23日(火)

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