第3203回
高く飛んでも航空株はいつも低空飛行
どんな気のきかない男でも
やとってくれる人があるように、
またどんな不細工な女でも
嫁入り先に困らないように、
どんな不人気な株でも必らず
株主になってくれる人がいるものです。
ですからわけがわからない株を何も知らない人が
買ったからと言ってバカにすることはありません。
でも自分はもとよりのこと、
身近かな人がどう考えても将来の見込みのない株に
手を出したりすると、ついイライラしてしまいます。
もっとも将来の見込みがあるかどうかは
人によって見方も違うし、
自分の方が考え違いをしていることもありますから
人のことを笑ってばかりもおられません。
たとえば、私は航空株を買ったことがありません。
どうしてかというと、飛行機は空高くとぶ割りに、
航空会社の株はいつも低空飛行しかしないからです。
日本の航空会社も例外ではありませんが、
世界中どこの国の航空会社を見ても、
その国を代表するような大会社であるにも拘らず、
すぐ業績が悪化して身売りに出されたり、
国の援助を仰ぐような始末になります。
日本の航空会社で言えば、
従業員にストをやられても駄目、
サーズのような流行病が発生して
折角組んだ団体旅行がキャンセルされても駄目、
ガソリンが大暴騰してコスト高になっても駄目、
ましてや飛行機が事故を起して暴落したらもっと駄目。
そういうことが一切なくて
順調な経営をやっているように見えても、
同業間の競争は激しいし、
当日の便に乗る客が少なくて空席が目立てば、
商品として残しておけないのですから、
いくら華々しく見えても内実は「火の車」なのです。
それでも旅行者はふえる方向にありますから、
ガソリンが安くなったとか、
利用者がふえているというニュースに接すると、
ついフラフラと注文を入れる人がおります。
派手に見えてもなかなかお金にならないのが
航空株の宿命なのです。
私は1年に100回以上も利用していますが、
航空株ときいただけで逃げ出してしまいます。
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