第2941回
物づくりの世界化と小金持ちの海外投資
日本の銀行が世界中を相手に
資金の提供をするようになると考えている日本人は
恐らくそんなに多くはないでしょう。
投資銀行や証券会社についても同じことが言えます。
日本の金融機関や投資会社は、
外国人が日本と関係のある企業に投資する場合とか、
日本人の資金を外国の一流企業に融資する場合とか、
ごく限られた、
それも日本人の資金や企業とかかわる場合に限定されます。
しかし、それだけでは
グローバル化時代にうまく適合しては行けません。
国境をこえて日本人がその存在を世界中から認めてもらうためには、
日本人の長所を生かして生存競争に生き残る必要があります。
そうなると、
ものづくりで他国民より優れたところを
世界的規模で発揮することと、
これまで貯め込んだお金を活用することが
次の日本の主流になります。
いま日本はインドやロシアに目をつけ、
請われるままに自動車の工場をつくったり、
製鉄や石油化学の分野に投資をしていますが、
いまのスピードでは他国に遅れをとります。
既に国内の景気後退が明確化しつつありますので、
どの業界も次の手をどう打つか、
決断を迫られています。
日本人は手先は器用ですが、
頭の切り更えは必らずしも器用とは言えませんから、
日本国内でやってきたことをそのまま肩にかつぎ、
両手にぶらさげて、「国替えをする」
ことくらいしか恐らく考え及ばないでしょう。
そうなると、
硝子の会社がピルキントンの会社を丸ごと抱え込むとか
ビール会社が中国をはじめ、
ブリックスの主なビール会社を傘下に入れるとか
物づくりの世界一を狙うことになるでしょうし、
あとは「小金持ちの海外投資」が
次の成長産業だということになります。
私たちはいま中国株投資でそのトップを切っているわけですが、
それがいまの10倍20倍になるのも時代の動きなら、
その守備範囲が新しい成長発展国にまで拡大して行くだろうことも
時代の動きです。
とりわけ「小金持ちの海外投資」は
次の日本の成長産業の1つと言っていいでしょう。
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