第2938回
オイル・ダラーがアメリカの大株主に
日本の外貨準備高も遂に1兆ドルを超えましたが、
中国はもうかなり前から1兆5千億ドルを突破しています。
さらにそれをオーバーするオイル・ダラーは
あちらこちらの国に分散しているし、
公表したがらない向きもあるでしょうから、
合わせれば、恐らく最大のドル持ちでしょう。
アメリカは自分たちが節約して
自分たちの収入の範囲内で暮らす代わりに、
借金をして贅沢な生活をしてきたことになります。
従ってこれらのドルが一せいにアメリカに戻ってきて、
アメリカの財産を買いまくったら、
アメリカ人の財産のかなりの部分が
外国人の所有ということになってしまいます。
ここへ来て、
アメリカの金融機関が投資に失敗して資本を大量に減らせば、
大きくあいた穴を埋めるために、
大量にドルを持っている事業体に
SOSをしなければならなくなります。
いまのところ、
それに応じているのは国内の基金とか、
オイル・ダラーですが、
石油の値段が更に上昇して、
世界中のダラーが更に産油国に集まれば
オイル・ダラーがウォール・ストリートを支配するようになることも
考えられないことではありません。
それと並ぶドル持ちは
恐らく中国、続いて日本ということになりますが、
中国がアメリカの金融機関を買収して
ウォール街に君臨することはあまり考えられないし、
中国人及び中国政府がそういう動きはしないと思います。
なぜならば、中国人は黄金は信用しても、
基本的に紙切れは信用しない国民だからです。
ではオイル・マネーがウォール・ストリートを支配するかというと、
産油国の王様たちは
利息を稼ぐことすらコーランで禁じられていますから、
商行為には馴れておらず、
富のマネージメントにたけていません。
アメリカの金融業者にとって
またとない顧客だということになります。
アメリカは回教徒圏を目の敵にする一面、
回教の王様たちと最も密接な関係を続ける必要に迫られているので、
回教国と共存共栄の時代が
当分、続くと見てよいと思います。
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