中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2937回
このままだとアメリカで日本の二の舞も

日本では中国のバブルがはじけるのを
期待する向きが多いようですが、
いま世界で起っているバブルのはじけ方を見ていると、
本家本元のアメリカが震源地になっています。
一番ひどい影響を受けているのが
アメリカの代表的な金融機関で、
その金ぐりがピンチにおちいるのを防ぐために、
政府が先頭に立って金利の切り下げに踏み切っていますが、
金利の切り下げで
日本が産業界の凋落を防ぎきれなかったように、
このままだとアメリカでも同じことが起る可能性は
かなり大きいようです。

私企業の救済に公的資金を動員する可能性は
アメリカにはないと言われていますが、
そんなことを言ってはおられない方向に
経済全体が動きはじめたら、
更にまた日本と同じことが起るようになるのではないでしょうか。
公的資金を動員しても、冷え込んだ不動産市況が
更に一そう冷え込むことも考えられないことではありません。

日本では不動産が高値から10分の1になるまで冷え込みました。
そうなるまで10年以上も時間がかかったし、
その間中、景気が冷え込み続けたので、
庶民の収入がふえるどころか、
物が売れずに物価は下がり続けました。
いま物価は世界的に上がる方向に向いていますが、
やがて物が売れなくなったら、
下がる方向に廻われ右することもあり得ないことではありません。
株や不動産が下がったので、
遊資が石油の投機に向っていると説明されていますが、
石油を買う人が少くなれば、
石油の値段が上がり続けることができなくなるものです。

ですから最終的に落着くところに落着くでしょうが、
アメリカのバブルは日本のバブルより
ずっとスケールが大きいわけですから、
いくらアメリカ政府の対応が迅速でも、
また世界中のドルを持っている国々が
協力してくれると言っても、かなりの時間がかかるでしょう。
また正常に戻ったとしても
世界の産業地図がかなり変わってしまうと考えるべきです。
たとえばウォール街を
オイルマネーが我が物顔でのし歩くこともあり得るでしょうし、
チャイナ・マネーが世界の資源を支配する光景も
考えられないことではありません。


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2008年3月25日(火)

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