中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2929回
あなたはどちらの株の方を向いていますか

世界的な株安の続いている中で、
サブプライム・ローンの影響をあまり受けない中国でも
株安に見舞われていますが、
日本も、もちろん、その例外ではありません。
金融関係は6千億円ほど損害を受けたと新聞は報じていますが、
損は小出しにするのが普通ですから、
そのうちにもっと大きな数字になることも考えられます。

日本の株安は金融機関の損害から来るよりも、
いままで日本株を買い漁っていた
アメリカの機関投資家たちが金ぐりに困って、
日本株を叩き売っていることと関係が深いのではないでしょうか。
毎日の出来高の6割、いや、それ以上が外人売りだそうですが、
金ぐりの必要に迫られて売る時は値段かまわず売りますから、
たちまちのうちに新安値を更新することになってしまいました。

それでもドルが安値を更新している時ですから、
円高になり日本の輸出産業はかなりの為替損を蒙ることになります。
その分、日本株を叩き売って資金をアメリカに戻す
アメリカの投信にとっては思わぬ順風になっていますが、
もちろん、それくらいのことで
株安の損失がカバーできるわけもありません。
従って引き揚げにかかったアメリカ資本
(と言ってもアメリカの金融資本が
日本の銀行から低金利のお金を借りてやった投資だと思います)が、
また体制を整えて日本株投資に戻ってくるかというと、
戻ってくるとしても、
そうすぐにというわけには行かないのではないでしょうか。

一方で日本の個人投資家も、日本の証券市場には悲観的で、
目を海外投資に向ける人が日増しにふえていますから、
株価の恢復にはかなり時間がかかるのではないでしょうか。
日本株が上がったら、日本株を売って
中国株に乗りかえる絶好のチャンスですと私が言ったのは
もう3年も前のことですが、
とうとうそれが現実になってしまいました。
もう一度、日本の一般の投資家の目を日本市場に向けさせるだけでも
大へんなことになってしまいました。


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2008年3月17日(月)

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