中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2925回
中国消防の工場見学に行きます

中国消防という会社ももとは不動産屋でした。
銘源医療も七星購物も不動産屋あがりです。
ほかにも本業をやめて風力発電に手を出したり、
植林にうつつを抜かしたりしている上場会社がいくつもあります。
そうした中で、転業にもっとも成功したのは
中国消防ではないかと思っています。

しかし、一般の顧客を相手にした仕事ではないし、
都市の高層化が進めば、仕事はいくらでもあると言っても、
一回、消防の検査が終われば、
あとはエレベーター・メーカーと同じように
メンテナンスくらいの収入しかありません。
ですから投資家たちの目にとまらなかったのは無理もありませんが、
中国消防は年に10億元くらいの売上げがあって、
2億元くらいの計上益があります。
それに対して資本金が3千万元、積立金が資本金の40倍あります。
但し、1株の額面は1セントです。

こういう地味な商売をやっている会社が
東江環保や山東羅欣も遠く及ばないようなスケールの
壮大な大工場を建てているのを見て、
その自信のほどに打たれました。
消防車は1台が約100万元しますから、
(高いのは300万も500万もするそうです)
年千台の生産能力ということは
年に10億元の需要を消化できるということです。
過去の業績を見ていると
消防システム工事とメンテナンスの売上げが
全体の半分を占めていますから、
消防車の販売がこれに加われば、
10億元の営業額が
20億元まで上昇する可能性があります。
最近2年はずっと0.046%の株配を続けていますが、
成都の本社工場が完成すれば、
さらなる増収増益が期待できそうです。
鵜の目、鷹の目で成長株を探がしている投資家たちから
どうして見落されていたのだろうと頭をかしげたくなりますが、
売上げの30%が粗利ということですから、
まだ株価の位置は
私が東江環保や山東羅欣の工場見学に行った頃と
同じレベルにあると言ってよいでしょう。
成都の本社工場は3月から稼働ということですが、
上海の子会社の新工場は既に操業中とのことです。
この次、考察団に参加される皆さんを
成都の本社工場見学にお連れするのは
6月の張家界の帰りを予定しています。


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2008年3月13日(木)

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