中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2923回
芝刈りをやめて5倍になる株を探がせ

なぜ私が成長株買いに固執して、
株価の鞘取りに目もくれないかというと、
鞘取りで金持ちになった人を見かけたことがないからです。
私が株をはじめた頃、
鞘取りのことを日本語では「芝刈り」と言いました。
中国語ではいまも「帽子の奪い合い」と言っています。
どちらも坊主頭に生えてきた
チョロチョロの髪の毛ていどの薄い利益の奪い合いです。

それに対して、私は魚を1匹丸ごと釣り上げることを考えます。
それを丸ごと自分で食べようなどと考えずに、
頭と尻尾は人にくれてやれと言っています。
つまり最安値で買って最高値で売って
「どうだ、オレは名人だろう」と自慢したりしないで、
売ってくれた人にも買ってくれた人にも
少しくらいはおかずになる部分を残してあげるのが
人に憎まれない生き方だと思っているのです。

しかし、それができるためには
3倍とか5倍とか値上がりしそうな株を探すよりほかありません。
そういう株をあまり人が気がつかないうちに探がし出して来て、
値上がりするまで時間をかけてジッと持ち続けるのです。
そのためにはどうしても時間がかかりますが、
その間、辛抱強くこらえるのが株式投資だ
と自分に言いきかせています。
どの株を選ぶかに使うエネルギーが
株式投資全体に使うエネルギーの10%だとしたら、
忍耐とか我慢に使うエネルギーは90%にも及びます。
逃げ腰で株に立ち向かっているわけではないのです。

ですから、いまの私は
オリンピックが終わったあとのことを考えて、
公共投資株、福利厚生株、
環境保全株、資源開発株に目をつけていますが、
それは私がこれから買いたい株であって、
売りたい株ではありません。
自分が逃げ腰だと、
つい人も逃げ腰だろうと勘違いしがちですが、
たとえば東江環保の株に私が目をつけたのは0.8ドルの時だし、
羅欣は0.5ドルの時でした。
ですからいまの半分まで株価が更に値下がりしたとしても
私がとびあがって驚く立場にはおりません。
逃げ腰の人が本当に逃げ出しても、
株式市場はずっと続くものだし、
私の場合はことしから来年にかけて
どんな株が主役になるかを考えているところです。


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2008年3月11日(火)

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