中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2919回
相場をやるな、成長株をジッと持て

株式投資は株をやる人の心理を正直に反映しますから、
いろんなやり方が株価に反映します。
昨日買った株を何円か上がっただけで
今日にも売ってしまう人もあれば、
高値で買った株を暴落の時に
あわてて投げ売りする人もあります。
反対に少しもあわてずにそれを拾って
株式市場の回復していくのを辛抱強く待っている人もあります。

もし経済の実態にあまり成長がなく、
相場だけで売買が行われているとしたら、
株をやってお金の儲かる人は
恐らく10人に1人くらいなもので、
あとの9人は損をする人たちではないでしょうか。
大半の人は他所で汗水垂らして稼いできたお金を
兜町まで持ってきて
鎧橋の上から川の中にせっせと投げ捨てている感じです。
その人たちが投げ捨てる手伝いをして口銭をもらい、
壮大なビルを建てているのが証券会社だと言うことになります。

幸いにも経済社会は農業のような停滞の連続ではなくて、
時によって成長もすれば、好況不況のサイクルもあります。
それをうまく言い当てれば
その恩恵にあずかることができますが、
戦後の日本のように
かつて経験したことのない成長のチャンスに恵まれた国は
年々産業界のパイが大きくなりますから、
下手な売買をするよりも、
ジッと辛抱して株を持ち続けた人の方が
多くの分け前にあずかることができました。

ピンチは何回もありましたが、
そこを巧みに乗り越えてきた人よりも、
ソニーやホンダの社長をしていたばかりに
株を売るに売れなかった人の方が
産をなしたのを見てもわかるように、
成長する株をずっと持ち続けた人の方が
「昨日買って今日売る人」よりもずっと株で産をなすものです。
そういう動きをずっと見てきたので、
私は相場をうまく売り抜けるなんて考えたことはありません。
私が取り上げた株が値上がりするのを見て、
私がうまく売り抜けたと思っている人たちは
株のことをよく研究していない人だと言うことがわかります。
本当にバカな人たちですね。


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2008年3月7日(金)

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