第2917回
私はオジンのおしゃれの雑誌の愛読者です
皆さんはオジンのおしゃれの雑誌を読んでいますか。
年をとってくると、何事にもだんだん億劫になって、
夕飯の残りをそのまま冷蔵庫に入れておいて
翌朝、ちょっと温めて(なかには寿司の上からお茶をかけて)
そのままかき込む男やもめもおります。
着る物にしても、どうせ偉い人にあうわけでもなし、
箪笥の中から新しいのを出すのも面倒臭いから、
昨夜脱いだズボンにそのまま足をつっこんで、
三日間も寸分違わないカッコをする人もいます。
これこそ年をとったという何よりの証拠です。
私はそういう生き方を嫌って、
一週間の間に食卓に同じ料理が並んでも怒るし、
翌朝、何を着るかは寝る前に決めてから床につきます。
ずっとヨーロッパを歩いて
有名デザイナーのファッションやブランド商品は
人より先に一通り身につけてみましたが、
オジンのおしゃれの雑誌が出はじめた頃から、
おしゃれに対する既成概念におさらばをして、
シャツのボタンは3つ目からとめるとか、
パンツは同じジーパンでも、
ジーパンに見えない色合いや生地のものから
若者と同じようなどこに座っても平気なよごれ仕立ての物まで
100枚くらい持つようになりました。
年をとったら、年をとって見えないように、
服の着方に創意工夫をする必要を感ずるようになったのです。
当然のことながら、
オジンのおしゃれの雑誌ともつきあうようになりました。
ウオモ、ブリオ、レオン、ゲーテの発売日が何日で、
メンズ・クラブやメンズ・エックスの発売日が何日で、
ゲイナーやメンズ・ノンノの発売日がいつかも
もちろんちゃんと知っています。
日本にいる時は発売日に買いますが、
外国に行っている時は帰ってきてからまとめて買うので、
5冊も7冊も買うと
自分の車まで運ぶだけでも重くて重くて大へんです。
ですからあまりにイージーに編集しているのをめくると、
その分、癪にさわるのも人一倍。
おかげでどの雑誌のどの編集長の頭がどのくらいいい加減か、
身にしみてわかるようになりました。
皆さんもアンティ・エイジングの特効薬として時々、
オジンのおしゃれの雑誌のページをめくって見るのは
いかがでしょうか。
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