中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2757回
金持ちになったら生命が惜しくなります

消費経済に突入すれば、
眞っ先にはじまるのはお金をパッパと使うことではありません。
もっとお金をふやすことにお金を使うことです。
とりわけ中国人のような抜け目のない人たちの間では、
お金でお金をふやすことが最大の関心事になります。
上海や廣州の工場で、
株の売買が行われている時間に1日に1時間、
株をやるためのお休みの時間を設けるところが多くなったのを
見てもわかります。

お金をふやすビジネスの次は食べることです。
でもレストランのようなサービス業は昔からたくさんあって、
古いのが新しいのに代わるだけですから成長産業とは言えません。
食品加工業の中にもいくつか成長産業がありますが、
競争が激しいのと、
付加価値に限りがあるのとで、
株価の値上がりに限界があります。
あとは自動車とマイホームということになりますが、
これは衆知の事実で、
「知ったがしまい」
と言いますから、
株価を大きく左右することにはなりません。

そんなことよりも、
人は生活にゆとりがあるようになると、
死ぬことが怖くなります。
かって30何年前に私と国民政府との間で話合いがついて
亡命先の東京から24年ぶりに台湾に帰ったことがあります。
台湾は高度成長に突入する直前で、
上場会社は確かまだ60何社しかありませんでした。

その中に新顔の国泰人寿という生命保険会社で
額面10元の株が20何元かしておりました。
それが成長に成長を続けて
バブル期には何と2千元まで値上がりしました。
もしそれと同じことが中国でも起るとしたら、
生命保険は前途洋々だということになります。

私が邱友会でその話をした時は中国人寿の株はまだ5元以下でした。
「で、買うことはわかりましたが、いつが売り時ですか」
ときかれたので、
「保険に入ったと思って下さい。
途中解約は駄目ですよ」
と私は牽制しました。
が、それがいまはどうです。
でも保険株は成長株の仲間には入れない方がいいでしょう。
知恵を搾って選択する株ではないからです。
値上がりのある定期で1度解約すると、
もう手が届かなくなると思ったら間違いありません。
保険株は文字通り保険株であって成長株と考えないで下さい。


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2007年9月27日(木)

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