中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2707回
来年の今日からいよいよオリンピック

来年の8月8日(金)の午前8時から
いよいよ北京オリンピックがはじまります。
その日のために中国は国をあげて準備に大わらわで、
いま北京で建築中のビルも
すべてそれまでには完成することになっていて、
町全体も見違えるようにきれいになる筈だし、
中国人は平気で行列の中に割り込んで失笑を買う国民なので、
バス停でも割り込みがないように、
目下、週に1回、
訓練日を設けて練習をやっているところです。

オリンピックには世界中から観覧客が集まりますので、
往復の切符はどう予約するのか、
また宿はどこにするのだと、
北京に住んでいる人も北京に行く積りの人も心配しています。
きくところによると、
政府が招待する賓客の宿泊設備を確保するために、
北京の一流ホテルの予約がはじまっているそうですが、
うちの三全公寓の周辺には五つ星のホテルが5軒もあり、
ホテルによって格の違いがありますが、
1日5000元から9000元までオリンピックの前後20日間にわたって
政府が支払う契約が進行中だそうです。
中間をとって1日7000元としても、
日本のお金で1日10万円の宿賃ですから、
私たちが想像をこえる宿賃になります。

うちのアパートは大使館街のど眞ん中にあって、
五つ星並みの設備を持っていますから、
1日10万円で貸せればと胸がワクワクしますが、
恐らく来年になると、
その時に備えて、
少なくともオリンピックが終わるまで
長期契約をする宿泊客で一杯になるのではないでしょうか。
その時、
貸してもらえませんかと既に申し込みも殺到していますが、
私の住んでいる部屋には恐らく身内の者に占領され、
私自身は東京にいて
テレビで覗く程度のオリンピック見物になると想像しています。
完成してから既に10年あまり、
只の一ぺんもフルハウスになったことがありませんが、
オリンピックが奇跡をもたらしてくれるかも知れません。
問題はそれが終わったらどうなるかということです。
私のことでも三全公寓のことでもありません。
中国のことです。
世界中が注目しているところです。


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2007年8月8日(水)

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