第2706回
中国で仕事をやりたい青年よ、集まれ
いま私の周辺では日本の若い人がたくさん働いています。
少し前までは、日本人が少く、
ほとんどが台湾の若い人たちでした。
どうしてかというと、10年あまり前、
私が北京や天津や上海や成都で
ビルを建てたり、事業をはじめた時、
中国大陸の賃金は日本の30分の1で、
日本と同じ賃金を払っていたのでは
商売が成り立たなかったからです、
台湾の人の賃金はちょうど両方の中間くらいだったので、
責任感や愛社精神では日本人に及びませんが、
何とか仕事になりました。
私は台湾で人材の訓練をしていたので、
台湾で私の秘書をしていた連中が
先頭に立って仕事をしてくれたのです。
あれから10何年の歳月がすぎましたが、
中国人の幹部はなかなか育たず、
台湾の秘書たちは総経理におさまってしまい、
未来の幹部の育つ体制が消えてなくなってしまいました。
台湾でも仕事を優先させず、
いくら報酬をくれるかときく若者ばかりふえてしまったのです。
私が困りはてていたら、
中国経済が急速に動きはじめ、
逆に日本経済の成長がとまってしまって、
夢を追って中国を志向する日本人の青年が
見る見るふえてきました。
中国人は入社する時、
いくらお金をくれるかを先ずききますが、
日本人はどんな仕事があるか、
それは夢のある仕事かどうかを問題にします。
夢があって、働き甲斐があると思えば、
いくらくれないとやらないなんて言ったりしません。
高い山を目指す人は一旦、
下におりてからまた登るものだということを知っているのです。
そこが日本人が働き手として
世界にすぐれているところなんです。
そういう人がいつの間にか、次々と集まってきて、
気がついて見たら私のまわりに
中国語もペラペラ喋る日本人の若者の集団ができてしまいました。
これは中国ではちょっとした戦力です。
そういう人たちをもっと集めて
中国人では勤まらない仕事をやってもらおうじゃないか
というのが「一国一城を志す人」たちに集まってもらう
本当の目的です。
|