中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2605回
見習生で日本の町工場はどこも大助かり

「見習生」受け入れの制度についてご存じのない方が多いので、
簡単な説明を致します。
日本では「キツイ、キタナイ、キケン」
俗に3Kと呼ばれる分野で働いてくれる人がいないので
藁をもつかむ気持で、働いてくれる人があったら、
無差別に受け入れます。
でもそうした資格のないもぐりの外国人をうっかり雇い入れると、
雇主の方も罰されます。

と言っても正式に就職のできる外国人労働者は
そんなにたくさんはいません。
日本語の勉強のために来ている「就学生」でも
一週間にアルバイトをしてもよい時間数はきまっているし、
あとはそれぞれ専門の分野で
職業の訓練を受けるという名目のもとで、3年、
業種によっては、1年を限りとして、
入国の許可を受けた「見習生」ということになります。

たとえばパン屋さんで朝の6時に焼立てのパンが店頭に並ぶためには
午前2時か3時に起きて働いてくれる人がいなければ
間に合いません。
いまの日本では
パソコンを前に朝まで徹夜をする若者たちはいくらでもおりますが、
午前2時に起きて働けと言われて、
ハイと返事のできる人はほとんどいません。
ですからいまの日本では
国中のパン屋さんが人手不足に悩んでいます。
この人手不足を解消してくれるのが
外国からパンづくりの修行に来てくれる見習生です。
たまたま私は北京にパンとケーキのテストプラントをつくり、
日本の業者と交流があるようになったので、
日本の同業者の労働市場が
手にとるようにわかるようになりました。

はじめは山東省の人材派遣業者に頼んで、
きつい条件でも喜んで働いてくれる
若手労働者を送り込んでもらっていましたが、
昨日まで畑仕事をやっていた男たちに
次の日からメリケン粉を練ろと言っても
馴れるまでに時間がかかります。
その話をきいて、とうとう私たちは
銀川市にある40何校かの職業学校の中の一つに目をつけました。
その料理学校ではパンづくりも教えていますから、
言葉のわからない日本まで連れて行かれても
その日から役に立つのです。


←前回記事へ

2007年4月28日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ