第2562回
見習生のために中国で道をひらく必要も
「見習生」の制度は
近隣諸国のプロの職人のレベルを上げるためという
立派な名目があります。
機械工やコンピュータも、また食品加工や縫製や、
あるいは農業、水産などの一次産業でも、
日本の方が先進国ですから、
日本で学べば、帰国してから自国の産業の発展に役立ちます。
したがって日本政府が旗をふって
外国から弱年労働者を呼び込む大義名分が立ちます。
その裏には外国の安い労働力が入ってきたら、
国内の雇用をおびやかすというという強い反対ムードもあります。
しかし、そんなことを言っておられないほど
日本では下働きをする人がいなくなってしまいました。
何もしないでプラプラしているだけのニートもふえましたし、
スーパーやコンビにでアルバイトをする人はいますが、
キケン、キタナイ、キツイの3K分野で
働き手を見つけることは年と共に難しくなっています。
上水道がいくらきれいでも、
下水溝がきちんと整備されていなければ、
どんな宮殿もゴミと汚水の山と湖になってしまいます。
まして老齢化がすすんで、
寝たきりの老人ばかりふえて面倒を見る人がいなくなったら、
日本の国は大へんなことになってしまいます。
したがっていまは「見習生」という名目で
小さなスキマを外国人の弱年労働者にひらいているだけですが、
そのうちに少しずつ敷居を低くして
それぞれの分野で3Kの仕事に従事してもらわなければ、
国全体がうまく機能して行けない時期が
必ず来ると私は見ています。
その場合、入国した外国人にそのまま居座られても困るので、
3年たったら帰れ、5年たったら帰れといった
制限を設けることにはなるでしょう。
それでもいまよりはいいのです。
日本で見習した若者たちは
その分レベル・アップしますから、
国に帰れば国の産業のレベルを押し上げる力になるからです。
そう言った意味で、パン屋さんに職人を送り出せば、
やがて年期奉公を終えて、帰ってきた人たちに
新しい職場を提供してあげる必要もあります。
私のパン屋のチェーン化はその一端ですが、
そのあとに続く多くの事業の方が
もっとうんと大へんだと覚悟しています。
|