中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2538回
待つことが成長株買いの重要な過程です

では株価が3倍にも5倍にもなるような企業はどんな企業か
ということになりますが、
それは一口で言うと、よくお金の儲かる会社です。
業種に制限があるわけではありませんが、
その時代の流れにうまく乗り、毎年のように売り上げが伸び、
利益がふえて行くことが見込まれる必要があります。

私は昨年来、いくつかの銘柄を例にあげてきましたが、
いずれもかなり値上がりはしましたが、
あるところまで来るとストップして伸び悩みが起ります。
それは当り前のことで、
業績の伸びに見合って株価は一定のところに落着き、
次の利益が現実にならない限り、更に上まで買い上がられても、
結局、また戻って落着くところに落着くものだからです。
問題は売上げが伸びて利益があがると
それに見合った株価がつきますが、
それが毎年くりかえして起るかどうかです。

たとえば、私は常茂生化というバイオ化学メーカーを
成長株のトップを行く企業の一つにあげました。
この会社は食品添加剤や医薬品の素材をつくっていますが、
取引先は味の素や東レや協和発酵、
アメリカではナビスコと言った世界的に知られた一流会社で
生産が注文に追いつかない状態が続いています。
どうしてそういうことが続くかというと、
同じ物を日本やアメリカでつくると、
環境設備にもっと莫大なお金がかかるので、
増産分を中国に持ってくる立場におかれているからです。

それぞれの有名企業向けの受注をフルに生産すると、
一昨年3億元だった売上げが去年、今年、来年と
3年で3倍の10億元に達します。
売上利益率の高いバイオの世界ですから、
利益は3倍を優に超えることが予想されます。
董事長さんの口からそういう説明を受け、
あとはそれが実現するのを待っているのです。
その間中、株価はごらんのように足踏みしていますが、
私はジックリその時が来るのを待つことになれています。
待つということが株式投資の中で重要な作業の一つなのです。


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2007年2月20日(火)

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