中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2295回
貝柱の卵炒めと海老のレタス巻き

邱飯店のメニューの中で、
私がもう一つ気に入っている肉料理があります。
大馬站鍋と呼ばれる豚肉と
豆腐を気長に煮込んだ鍋料理です。
大馬站とは広東省のある地方の名前ですが、
そこで食べられている郷土料理です。
その町を通った時、
車を下りる時間がなかったので、
そのまま素通りしてしまいましたが、
料理は香港かどこかで食べて、
家内が我が家に再現したものです。

大馬站鍋(左)・鍋塌豆腐(右)

豚肉は前記した二つの料理を同じように
醤油でゆっくり煮て東坡肉にしたものの中に、
豆腐を油で両面焦げるくらい焼いたものを入れて煮ます。
その際、韮を加えて味つけをします。
豆腐の好きな人にはこたえられない歯ごたえですが、
もし里芋か、カボチャの東坡肉を注文した場合は、
大馬站鍋はやめて前菜のメニューに出てくる鍋塌豆腐という
薄切りにした豆腐をこんがり焼いて
エビの子で味つけをした1皿をおすすめします。
こちらを先に食べて
それから里芋かカボチャにしてもかまいませんし、
その反対であってももちろん、さしつかえありません。

(左上から時計回りに)干貝炒鶏蛋・西芹炒拉・鱔魚干米綫・蠶豆炒鶏糸

また前菜でおすすめできるのは
干貝炒鶏蛋(貝柱と卵の白身を炒めた物)38元、
西芹炒拉(セロリーをカラシであえたサラダ)22元、
鱔魚干米綫(田うなぎと春雨を炒めて、
葱ときくらげをまぶした物)58元、
更に蠶豆炒鶏糸
(そら豆を鶏肉の細切りで炒めた物)48元などがあります。
どれも本当は美味しい物ですが、
田うなぎは北京ではあんまりしっくりこないし、
鶏肉の細切りと炒めるのは
グリーンピースのまだ豆になっていない
若くて柔かいのが抜群にいいのに、
北京ではいくら頼んでも適当なものが手に入らないようです。
それでも干貝炒鶏糸と鬼馬虾菘(海老のレタス巻き)と
鍋塌豆腐はよその料理屋に行っては食べられないものですから、
少人数で来た時も必ず注文をして見て下さい。
またセロリーのカラシあえは好き好きがありますが、
好きな人にとっては家に帰って再現してみたくなる美味の一つです。


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