第2294回
里芋とカボチャとどちらがお好きですか
邱飯店のメニューで、
スープの次に出てくるのは肉の料理です。
肉は豚肉、牛肉、鶏肉何でも使います。
南の方では羊肉を使いませんので、
我が家のメニューには出てきませんが、
私たちは北京に来ると、
涮羊肉の店にもよく行きますし、
陶朱公館のすぐお隣にある
イタリア料理の店イル・ミリオーネでは
よく羊肉のステーキを食べております。
フランスに行った時も、わざわざ三つ星のレストランで
マトンの注文をするのは、
ヨーロッパの羊肉は牛肉よりもずっと美味で、
失敗が少なくてすむからです。
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香芋扣肉煲 |
陶朱公館の肉料理で出色なのは鶏肉なら白切鶏です。
鶏を茹でて庖丁を入れたシンプルな料理ですが、
これが他の店に行ってもなかなか味わえません。
でもシンプルな味ですから
これだけでは肉を食べたぞという満足感はありません。
と言っても東坡肉のようなただ豚肉を煮込んだ料理は
上海料理屋をはじめ、
ちょっとした料理屋にはありますから、
陶朱公館に来た時は邱家の家庭料理の中から
香芋扣肉煲(里芋と東坡肉をサンドウィッチにして
長い時間をかけて蒸した物)か、
南瓜東坡肉(東坡肉と茹で卵をカボチャの中に入れて蒸したもの)
のどちらかを選んで下さい。
どちらかを、と言ったのは、
さと芋とカボチャでは、
もちろん、味が違いますが、
どちらもこってりとした味で、
二つ重ねて食べるよりも、
ほかに鬼馬虾菘のようなレタスで
エビを包んで食べるサラダを
頼んだ方がずっとうまさのバランスがとれるからです。
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南瓜東坡肉 |
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鬼馬虾菘 |
里芋の場合は里芋に肉の味が染みているし、
カボチャの場合はカボチャの方が
肉よりももっと美味になっています。
里芋が一鍋、38元、
カボチャが48元で、
値段が安いことよりも
この味ならわざわざ食べに来るだけの値打ちがあります。
我が家のお客様で言えば、
阿川弘之さん、安岡章太郎さんのお気に入りの料理です。
とても時間のかかる、手のこんだ料理ですから、
自分でつくるより
ご同伴で北京までとんで行った方が気は楽ですね。
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