第2221回
不動産株は消費市場時代の本命です
国内消費を中心とした高度成長ということになると、
中国社会における消費がどういう段階にあって、
どんな方向に向ってどんな動きをするか、
正確に把握しなければなりません。
上海でマンションが三倍にも値上がりをしたり、
また同じ人が二室も三室も予約を入れているのを見て、
中国経済でバブルがはじけるとあわてた観測をした
日本の新聞記事を見たことがあります。
上海は中国のほんの一角にすぎませんし、
物価の一番高い上海で家の買える人は
上海中でもほんの一握りしかおりません。
そうした中で一人が何室もマンションを買っているということは、
経済の急成長によって貧富の差がひらき、
一握りの成金が不動産の値上がりを見込んで
投機に走っているということにほかなりません。
大衆によるマイホームづくりが仮に続かなければ、
3億に値上がりしたマンションが逆転して
一時的に値下がりすることは大いにあり得ることです。
それをバブルと呼ぶのなら
必ずしも間違いではありませんが、
中国のマイホームづくりはやっとはじまったばかりです。
いまはまだ一握りの成金が他に先んじて
一人で四人分も五人分も買い占めていますが、
これから毎年のように
7%から9%程度の経済成長が続くと、
いよいよ本格的なマイホーム時代に入ります。
したがって家の値上りもこれから時間をかけて
大へんな勢いで起るだろうし、
家づくりをやっている不動産会社の中で
堅実な経営をしている会社の株は
長期にわたって値上りをすり可能性があります。
私はかなり前から上場不動産会社の中でも
社名に中国と名のついた会社は
大半が香港からの進出企業で、
不動産投資のプロだから安心できるといって
推奨したことがあります。
もちろん、大陸系の不動産会社の中にも
長期持続に適した銘柄がいくつかあります。
そういう銘柄は配当落ちをして安価になった時が
買いのチャンスといってよいでしょう。
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