中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2161回
本当に日本の将来はどうする積り?

日本人の多くは、
自分たちがどの方向に向って動こうとしているのか、
理解していない人が多いように思います。
老齢化が進み、国際化が進み、
そうした動きの中で
いま自分はどの位置におかれているのか
自覚している人はもちろんたくさんいます。
なかには自分たちの生活感情だけで
価値判断をする人もおりますが、
将来、隣国との関係をどうするか、
もしくはどうすべきを考えたら、
生活感情だけで生きて行けないことも
はっきりしています。
過去を基準として生きる人と
未来を見て生きる人の価値判断が
大きくひらいてしまっているのです。

いまの日本は経済的にも、政治的にも
そうした岐路に立っていることを
前にも申し上げました。
ここのところ日本では
株価が恢復基調にあるので、
それを「デフレよ、さようなら」と
受けとっている人もいますが、
高度成長期と成熟化した社会におかれていることが
単純に同じであるわけがありません。
成熟化した社会が今後どういう動きになるかが
日本人にとって一番重要なことであり、
またどういう対処をするかによって
次の時代の産業界に
うまく生き残れるかどうかが決まります。

成長段階に違いのあるお隣りの中国にも
同じように大きな変化が考えられます。
WTOに加盟してからことしの末で満5年、
その間に約束したことをはたさなければならないので、
株式市場にも、人民元にも、
また中国の国内消費市場にも
新しい開放と変化が次々と起ります。
お互いにそれを対岸の火事と思って
傍観しておられる時代ではありません。
「中国はどうなるの」とノンキなことをいう前に、
「日本はどうする積り?」という質問に
先ず眞剣に取り組んで下さい。
成長社会にも修正を要するヒズミがありますが、
成熟社会の問題はもっと複雑で
解決に時間とお金と辛抱強さを要します。

そういった問題意識に気をとられているうちに
「もしもしQさん」はまたも
一冊分のボリュームに達してしまいました。
いよいよ中国経済も目の離せないところに来ています。
この続きはどうぞ明日も続けてごらんになって下さい。


←前回記事へ 2006年2月8日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ