第1959回
創業の予行演習は株式投資から
お金に働いてもらうとすれば、
自分でお金を動かして働いてもらうか、
それともお金を投じて
手に入れた物に働いてもらうか
ということになります。
前者は誰にでもできることではありません。
自分で働いてお金儲けをする人よりも、
そういう人に雇われて
サラリーをもらっている人の方が
ずっと多いのを見てもわかります。
人それぞれの得手不得手があって、
不得手なことをやると失敗をする確率は
うんと高くなります。
最近は資本金1円でも
会社ができるようになって、
サラリーマンを辞めた人が
なけなしの退職金や貯金を注ぎこんで
創業するケースが多いそうですが、
成功するチャンスは
恐らく百に一つもないと言ってよいでしょう。
商才にたけた人は
そんなにないのですから、
一国一城を夢見て全財産を失うよりも、
そういう才能を持った人のパートナになって、
使い走りをする方がずっと安全です。
しかし、そういう人を
見つけることができないとすれば
あとは株式市場で
そうした役割をはたしてくれる企業を
見つけ出してきて、
大事なお金を投じて
株に働いてもらうことになります。
才能があるかどうか
全くわからない人に賭けるよりも、
株式市場に上場している企業は
既にかなりの実績を持っているし、
そうした企業経営者が
どんな人かも大体の見当がつきます。
何よりもその企業が従事している職種が
将来どういう動きになるか、
こちらが判断することができます。
それでも見当違いになってしまうとすれば、
それは自分の判断力に欠陥があるからであって、
人のせいにすることはできません。
何回やっても損をするようであれば、
自分にそうした才能がないと
あきらめるよりほかありません。
反対に、修正可能な小さな誤まりであれば、
株はその人の財産保持の手段として
可能な存在であるということになります。
創業をするよりも株を買って
腕だめしをするのが先です。
私の周囲でも創業を夢見ている若い人たちは
大抵、株で予行演習をやっています。
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