第1908回
台湾人をパートナにすれば失敗は少い

台湾に負けず生産基地を
次々と中国大陸へ移しているのは
日本と韓国です。
アメリカからの投資は
コカ・コーラとか、マクドナルドとか、
よく目につく所にあるので、
つい大きな投資と思われがちですが、
流通からサービスまでのところに集中していて、
生産のセクションは他国に任せているので、
モトローラとかGMとかIBMのような
ごく一部を除いて、
ほとんど見るべきものはないのです。
たとえば運動靴やゴルフクラブでも
OEMで外国企業につくらせて
自分たちはその最もおいしい部分を
しゃぶっているのがアメリカ人です。

それに比べると、
日本は職人の国ですから
物をつくることによって
生み出される付加価値によって
豊かになった歴史があります。
アメリカのように国内生産が難しくなれば
生産をやめて流通で稼ぐといった
思い切った変身はできず、
国内生産が駄目なら
生産に向いた地域に工場を移してでも
生産を続ける道を選びます。
ですから先ず旧植民地だった
台湾と韓国に生産工場を移し、
両地のコストインフレによって
もう一度、東南アジア、フィリピン、
更には中国へ動かざるを得なくなると、
それを実行に移すことをいといません。

その際に面白いのは、
一度、台湾で成功した日本企業は
中国に引越しをするにあたって
必らずのように台湾で
パートナになった台湾人や台湾企業を誘って
中国進出をしていることです。
台湾人は中国語が通ずるということもありますが、
基本的に日本人と馬の合うところがあって
信用して事を任せることができるからでしょう。
中国ビジネスは難しいと言われていますが、
中国で失敗の洗礼を受けずに
すんなりと軌道に乗っている日本企業の大半は
その前に一ぺん台湾で事業の展開をしています。
マブチ・モーターズ、ミツミ電機、ユニデン等々
指折り数えてもキリはありません。
このことは今後も続くと見てよいでしょう。
なぜならば、
双方の違いのちょうど眞ん中のところに
台湾の人たちが位置しているからです。


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