第1907回
台湾人が大陸で不動の地位を築く可能性も

台湾も日本のあとを追ってバブルがはじけ、
地価も株価もかなり値下がりをしたまま
低迷を続けています。
ただ台湾の場合は、大陸と言葉も通じ、
大陸で投資をするチャンスにも恵まれたので、
早くから大陸に進出した企業は
それなりの地位を築いています。

上場企業の中には、
採算の合わなくなった
地元の工場をたたむ過程で、
不動産も株もすべて銀行の担保に入れて
巨額の借金をし、その資金を大陸に移し、
計画倒産を企むケースが、
二、三にとどまらないので、
銀行も瀕死の重傷を負っています。
幸にも大陸に生産拠点を移した企業が
設備やパーツを台湾から輸入しているので、
台湾側は依然として黒字を維持していますが、
国内消費は沈滞して
不動産業者もデパートも倒産したり、
倒産寸前まで追いこまれています。

もしここへ香港のように
大陸から救援の春風が吹き込んできたら、
観光と貿易と不動産の値上がりで、
景気は一挙に立ち直ります。
工場が一方的に大陸に移ったのに対して、
ふところの温くなった無数の大陸人がお金を持って
台湾までバラまきに来たら、
それだけで台湾経済は息を吹き返えします。
そういう期待が出て来たので、
独立派の旗色は俄かに悪くなり、
民進党も生き残るために
政策を抜本的に切り変えざるを得ないところまで
追い込まれています。

反対に大陸が台湾の救世主であることが理解され、
またそうした政策を大陸側が次々と打ち出せば、
台湾海峡の波は沈静化の方向に向います。
だからと言って
台湾側が胸を撫でおろせる結果になるとは限りません。
台湾側は双方勝ちという言葉に固執して、
双方とも満足の行く解決法を
しきりに口にしていますが
はたしてそこまで到達できるかどうかは
これからの課題です。
気がついたら大陸に
完全に呑み込まれていたという場面がないとは
限らないのです。
しかし、抜目のなさという点では
台湾が劣勢に立っているわけではありません。
工業化社会の先輩として
中国大陸に不動の地位を
築くことも考えられるからです。


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