第1901回
北京大学での名演説には一驚しました
北京入りをするにあたって
国民党主席の連戦は先ず南京入りをして
孫文のお墓に参り、
それから釣魚台で
胡錦涛主席に迎え入れられる前に、
北京大学で学生たちに講演をしています。
その講演の内容が
一字一句もらさず新聞にも掲載されていますが、
中国じゅうで大へんな評判になりました。
私も全文を2回くりかえして読みましたが、
これでは講演中、
20何回も拍手が続いたのも無理はないと
痛く感心しました。
話し下手で聴衆をわかすことのできない人が
これだけの内容のあることを、
しかも原稿なしで喋ったそうですから、
台湾にいる時から何回も推敲を重ね、
且つトイレでも練習をくりかえしたに違いないと
想像してしまいます。
先ず北京大学は私の母校です
というところからはじまります。
本当はご本人が勉強したところではなく、
本人のお母さんが勉強したところですが、
お母さんの学校だから母校です
というところで
聴いている学生たちの心をくすぐります。
それから大先輩である蔡元培や
胡適らの遺した名言を引用して
自由とか民主とか繁栄につなげます。
もうこれでかつて台湾大学で
教鞭をとったこともあるご本人が
教養も学問もある知識人であることを
全聴衆に印象づけてしまったのです。
あとは何を喋っても
皆すんなりと耳に入ってしまいます。
当然のことながら、
台湾にも報導されますから、
台湾では「中共と結託して台湾を制す。」
と言う人がありますが、
台の字の下に独立の独という字があるのです。
そう言って、
大陸の人たちを安心させることも忘れていません。
はじめからおしまいまで拍手の嵐で、
そのうち何回、全員が起立して拍手したか
ということまで報導されています。
平和理に台湾問題を片づけたいと願う人は
台湾の人たちだけではありません。
長い内部抗争を続けてきた大陸でも
願いは同じなんです。
とりわけ戦争を知らない若い人たちは
戦争で物事が片づかないことをよく知っています。
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