第1872回
お医者の言うことはほどほどに

健康食品が多くの人の注目を
浴びるようになったのは
老齢化がすすんで
健康に気をつけなければならない人がふえたのと、
生活環境の変化によって
いままでなかった新しい病気に見舞われる人が
ふえたからではないでしょうか。

私にしても
こんな年まで生きている積りはなかったし、
予定をオーバーして生きているとなると、
あちこちに予想もしていなかった故障が起ってきます。
たとえば糖尿病患者は
日本国中に1400万人はいるだろうと言われていますが、
現在、治療を受けているのは
300万人あまりだけだそうです。
そうなると1000万人を越える人が
自分が糖尿病であることも知らずに生きているか、
知っていたとしても
そのまま放置しているということになります。

私は45才の時に糖尿が出ることがわかって、
それ以来、お医者さんにかかっていますが、
必らずしもお医者の言うことを
後生大事に守っているわけではありません。
医者の言う通りにしないと
余病を併発するぞとおどかされていますが、
医学の進歩と共に
お医者さんの言うことも変わりますので、
前やっていたことは間違っていたということが
しばしば起ります。
自分の身体のことは
やはり自分が一番よく知っているので、
医者の言うことはほどほどにきいて
今日まで心臓発作も起さずに生きてきました。
何を食べたら翌日の血糖値が高くなるのか、
何を食べなかったら、
たくさん食べている割りに
血糖値が上がらないのか、
何十年も三度のメシを食べていたら、
いやでもしぜんにわかっています。

たとえば私の場合は夜、
一杯や二杯ワインを飲んでも、
またかなり蛋白質や脂肪分をとっても、
最後に澱粉物の物を口に入れなかったら
翌朝の血糖値は
平常の人とほとんど変わりありません。
ですから「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」
という本を本屋で見つけて
すぐに買って読みました。
自分に納得の行くタイトルだったからです。


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