第1822回
サラリーにこだわる奴は来るな
いま中国大陸で
仕事をしたいと考える日本人の青年は
鰻上りにふえています。
そのために卒業後、
日本で就職するのを断念して、
中国語の勉強をするために
自費で中国に留学に来ただけでも、
おとなしくサラリーマン・コースを歩んでいる
凡百の青年よりは
パイオニア精神を持っていると言ってよいでしょう。
しかし、一年の学習を終えて
どこかに就職しようと考えても、
思うように就職口は見つかりません。
先ず日本企業は現地採用はしたがらないし、
中国企業は然るべき紹介者がないと
先ず人を採用しないし、
日本人では給料に対する要求が高くて
最初から敬遠してしまいます。
最近の日本企業はそうも言っておられなくなって
中国語のできる日本人に
声をかけるようになりましたが、
現地採用は出世コースに乗せることができないし、
本人にして見れば
もともとサラリーマンになることを潔しとしないで、
中国まで逃げ出してきたのに、
中国語を勉強してから
また大企業に駆け込んだのでは、
元の黙阿弥です。
パイオニア精神のある人は
小さくても一国一城を夢見ています。
ただ社会経験がないと
どこから斬り込んだらいいのかわからないので、
川の中でとりあえず
足場になるところを探がしているだけのことです。
そうした人たちに
とりあえず小さな練兵場を提供してあげようというのが
いま私のやっていることです。
サービス業を目指す人には
サービス業のとっかかりを、
事業を起したい人には何もないところから
事業をおこして行く経験を積ませるのが狙いなのです。
ですから、サラリーの額を気にする人では
とてもつとまりません。
私なんか会社をつくっても、お金の儲からない間、
サラリーなんか貰ったことはありません。
「お金があるからそんなことを言っているんだ。」
と思う人があるかも知れませんが、
そんな考え方をしている限り
創業者になれる見込みはありません。
何のためにわざわざ
中国くんだりまで流れてきたんだと
こちらが逆にききたくなってしまいます。
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