第1752回
観光事業が大産業になるとしても
ことし1年、投資考察団が訪問しただけで
これは立派な会社だ、買い安心だ、
下げた時はいつでも買いのチャンスだと
結論づけのできる会社がいくつかありました。
やはり資料だけ見るのと、
工場を見、且つトップから説明を受けて
納得をするのとでは、
大きなひらきがあるようです。
たとえば、中国の飛行場で
あれだけ出入国で行列をさせられたら、
誰だって観光事業ブームを連想します。
とりわけ中国人の国内旅行のふえ方を見たら、
将来、連休になったら
飛行機に乗れなくなるに違いないと
覚悟させられます。
それなら航空会社の株を買えばいいかというと、
航空会社は石油の値段が上がっても駄目、
従業員にストをされても駄目、
SARSになって客足が遠のいても駄目、
飛行機が墜ちたらもっと駄目と、
駄目づくしの難しい商売です。
アメリカをはじめ先進国の航空会社の株価を見たら、
すぐにもわかることです。
ではホテル株ならいいかというと、
ホテルは建設に膨大な資金を要するし、
満室にならないと
部屋代がそのままパァになってしまいます。
人件費が安い国はまだましですが、
先進国並みに人件費が高どまりをするようになると、
コストに響くようになります。
それでも一生懸命、客集めをして
やっと稼働率があがるようになると、
同じ町の中にもっと設備の整った
新しい競争相手が現われて
再びピンチにおちいるという難しい商売です。
旅行社にも、
観光地のケーブルやバスを独占している企業にも
似たようなことが言えます。
僅かに低開発国のホテルで
先進国並みの宿泊代をとっているホテルが
辛じて高収益をあげていますが、
先進国はどこも観光関連の業界は青息吐息です。
中国で将来、観光事業が
大産業になることは目に見えていますが、
はたしてどこの会社が
大金を儲けるようになるのでしょうか。
そういう目で見て、つい見逃してしまうのが
トラベル・スカイという
航空株予約の取次をする会社です。
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